【保育士の離職率】現役の保育士がどんどん辞めていく理由とは

保育士業界は「負のスパイラル」


保育士不足は、大きな社会問題です。
不足することにより保育園の数を増やすことができず、待機児童は増えてしまいます。

待機児童が増えることによって保育園に入れない子どもが増え、それが共働きを難しくし少子化が進む原因の一つにもなっています。
少子化が進めば超高齢化社会もより一層進むので、日本の将来に関わる大きな問題です。

本当に保育士の離職率は高いのか?

実際、保育士の離職率は高いとされ、厚生労働省の調査によると「10.3%」とされています。
この数値は他の職業の離職率と比較しても高く、特に高いのは私立です。

私立と公立で待遇が違う!?


私立保育園などの民間では効率よりも高い「12.0%」となっており、公立とは差が開いています。

公立保育園に勤める場合は公務員待遇になるので優遇されていますが、民間の場合は給与や休みなどで大きな待遇の差があるので、私立は高いと考えられています。

勤続年数から見ても私立は公立に比べると短いとされていますから、より厳しい環境にあると言えるでしょう。

離職率が高い理由1位は「給与や賞与等の収入面」


公立・私立を問わず保育士の離職率が高くなる理由として挙げられているのは、給与や賞与などの収入面が一番です。

2013年に行われた調査では平均年収が332万5千円と低くなっており、離職率が高くなる原因だとして国政の場でも議論の対象となったほどです。
給料が安いのに仕事がきついのも、辞めたくなる人が多い理由とされています。

一人ひとりにかかる負担は大きくなっている

次々とさまざまな事情で辞めていく人は多いのに、新しく入ってくる人は限られています。

そのため保育の現場では人手不足が常態化していますから、一人ひとりにかかる負担は大きくなっているのが現状です。

退勤時間が深夜になるケースも多い!


さらに保育士というのは預かっている園児の世話をするだけが仕事ではなく、事務や雑務もこなさなければいけません。

会議や事務作業が長引いて残業が続き、退勤時間が深夜になるケースも多くあって、仕事量に対して給与が全く見合っていないとされています。

人間関係がグチャグチャで退職が多い?


その他にも保育士の退職理由として多いのは、園での「人間関係」です。

同僚や先輩との人間関係はもちろん、園長の保育方針との違いにストレスを感じたり、さらには保護者との関係も辛く感じる理由になっています。
そして一昔前に比べて男性が増えたとはいえ、まだまだ女性が多い現状です。

そのため結婚や妊娠、出産を機会に辞める女性も多く、家事や育児をしながら働きにくい環境となっています。
子どもがある程度成長して育児に余裕ができたら復帰を考えている女性も多くいますが、手のかかる赤ちゃんや幼児のうちは、家族などに我が子を預けて働きにいけるほど肉体的・精神的に楽な仕事ではありません。

保育士のリアルな現場とは


このように現役の保育士が次々と辞めて離職率が高くなっている理由は、仕事がきついのにそれに見合った給料などの待遇を受けられていないからとされています。

人材を確保しつつ保育園の数を増やしていくためにも、働きやすく仕事量に見合った待遇を受けられるようにしなければいけません。

そのための施策を現場では国や自治体に求めています。今後に期待したいですが実際のところどうなるのかは現場の私たちには残念ながら分かりません。

これが「リアル」なのです。